見合い写真を夫は詐欺と笑った

あの見合い写真は詐欺だったね、と夫は笑います

結婚式後のゴタゴタも終わり、リビングでくつろぐ夫が、「写真写りは、いいほうじゃないよね」といいます。わたしのことです。わたしの昔の写真アルバムをおもしろそうに見ています。たしかにそうで、親しい友達にもよくいわれます。どちらかというと活発で明るいほうですし、顔もまあまあ、かわいらしいほうだと思うのですが、写真に写ったわたしは別人のようで、なにかをにらみつけているような怖い表情になっています。

ですから、見合い写真を用意するのはたいへんでした。見合いといってもフォーマルなものじゃなくて、友達の旦那さんの同僚に、写真を見せて紹介してもらうといった軽いお見合いです。夫を紹介してもらってから、1年ほど付き合ってからの結婚ですから、見合い結婚とはいえないかもしれませんが、わたしたちは見合い結婚だと言い張ることにしています。

友達に撮ってもらった見合い写真は、いつもどおりの怖い顔で、とても使えるものではありませんでした。いろいろと表情をつくって試したのですがどれも同じでした。友達も、うーんとうなるばかりです。で、プロに頼ろうということになりました。友達に付き添ってもらって、写真館を訪ねました。

餅は餅屋といいますがそのとおりで、出来上がった見合い写真は、自分でいうのもなんですが魅力的でした。友達は、実物のわたしに近い写真だといってくれました。写真館のかたも特別に修正したわけではないといっているので、純粋に撮影技術の違いだけなのかもしれません。この写真に夫がひっかかったわけです。

昔の写真アルバムを見る夫が、またいいます。「この写真みせられてたら、会う気にならなかったかもしれない」だそうです。ちょっと複雑な気持ちですが、いいたいことはよくわかります。写真アルバムと見合い写真を交互に見ながら、「これって詐欺?」ともいいます。いたずらっぽくいったからといって、許されるものではありません。反撃してやろうかとも思ったのですが、ネタがないのでやめました。

反撃してけんかにならなくてよかったです。その後、夫は、会ってみてよかったといってくれました。見合い写真のほうが現実のわたしを写してるんだ、ともいってくれました。それにしても、わたしの写真写りの悪さが不思議だと頭をなやましています。わたしだって不思議です。あの写真館のかたにもっとよく聞いておけば良かったと思っています。写真館ではわかっているはずですから。